2012-01-28から1日間の記事一覧

新聞記事から 人生の贈りもの 日本画家 堀文子(93歳) 5回シリーズの5回め

1987年、69歳の時にイタリアのアレッツォ郊外にアトリエを構えました。バブル景気に浮かれ、卑しくなった「金持ち日本」に嫌気がさしたのだ。この国で死ぬのが許せなくなり脱出した。しかし日本の収入でしか生計をたてられなかったので、「亡命」でき…

新聞記事から 人生の贈りもの 日本画家 堀文子(93歳) 5回シリーズの4回め

終戦の翌年に結婚されました。外交官だった夫とは原稿の挿絵を頼まれた縁で知り合った。自分は妻や母には不向きな人間で絶対に結婚はしないと決めていた。しかし、戦争で兄弟を失い、自分だけが自由に生きていくことが許せなかった。体の弱い夫を助けて生き…

新聞記事から 人生の贈りもの 日本画家 堀文子(93歳) 5回シリーズの3回め

女学校時代に2・26事件に遭遇されたそうですね。あの朝、近所のいたるところにバリケードが張られ、銃をもった兵隊が立っていた。町に退去命令が出ると母たちは非難し、私と父だけ家に残った。銃弾を防ぐため積み上げた畳に隠れ、塀を突き破って庭を進ん…

新聞記事から 人生の贈りもの 日本画家 堀文子(93歳) 5回シリーズの2回め

5歳の時に関東大震災に遭われました。大きな揺れにみんな庭に飛び出し、裸足で転げまわっていた。「大人なのになんてお行儀が悪いんだろう」と笑っていた。二日目ぐらいに避難所に移った。空は真っ赤で炎が渦巻き材木が燃えながら飛んでいて(炎上する応天…

新聞記事から 人生の贈りもの 日本画家 堀文子(93歳) 5回シリーズの1回目

3/4まで愛知県の名都美術館で展覧会が開かれている。93歳を迎えますます創作に意欲的ですね。私にとって絵は日記でありいまの自画像だ。昨年の個展ではイタリアの古代エトルリア文明をテーマにした作品を制作した。私はいま、古代の文明に夢中。エトル…