未開紅

2/24、私にとって8回目のお茶事をした。

もちろん、「なんちゃって茶事」であります。

ただ、自分がやれる、最大限の心をこめた。限られた費用、限られたお道具、限りのないのは自分の心だけ。

日頃、お世話になり、いつか恩返しをと思っていた方達をお呼びする。

見ていただきたかったのは昨年、清水の舞台から飛び降りて購入した橋本関雪の横物。関雪最晩年の作と骨董やさんは言った。墨跡の代わりにこれを本席に使った。

「雨中帰棹」という題がついている。小さな舟を棹で操りながら、川を下っている。爽やかさ、潔さが漂う。どんな流れにも一本の棹で泳ぐ。生きていく上での芯のような棹。というように連想を誘う。私のこれからの日々がこうでありたいとも思わせた。

二十四節気のちょうど「雨水」だった。

寿棚を使い、茶碗は揖保川焼きの池川みどりさんの作品。銘は「雪花」。初使い。
このお茶碗にもびっくりした。手に馴染むだけでなく、扱っているとぐいっと心を掴むのだ。

お菓子は「未開紅」。みかいこうと読む。自作。