野のユリ

水村美苗の「母の遺産」を読了。
くねくね話が続いていくのだが、最後は一気に進み、3.11の震災後、三週間ほどした2013.4.2の日付で話が終わる。

正直で率直なところが気に入った。作者の私生活も描いているのではと思わせるリアルさがある。母と娘の関係を描いた小説でもあるし、離婚を決めるまでの話でもある。

図書館でこの人の「本格小説」上下巻も借りているのだが、読めそうになく、いったんは返却しよう。


午後、昨秋92歳で亡くなった伯父の初盆を訪ねる。法事は明日あるのだが、用事があり、一日早くお参りする。伯母と姪が待っていてくれて2時間ほど思い出に浸る。阪神高速神戸線も北六甲道路も、両脇はユリの花が満開だった。あんな薄っぺらい小さな種からこんなきれいな、上品な花が咲く。特別な栽培など必要とせず、猛暑の中で、気高く咲く。うちの庭にも伯父にもらったユリが今年始めて咲いた。