又吉直樹賛江

kabakabatamanegiさんのブログを訪問すると、
http://kabakabaryokounikki.hatenadiary.com/?page=1436281200
最近買われた本の紹介があり、その「昔日の客」という本がでてくるブログというところをクリックして一番上にある「テレビのスキマ」というブログを読んでみた。「ピース又吉の邂逅の書」というタイトルが付いている。

http://littleboy.hatenablog.com/entries/2011/10/16

(勝手にトラックバックしてごめんなさい)

又吉直樹はNHKと仲良しでEテレのオイコノミアという番組を持っている。時々観る。

5/18は「子育てと経済学」だった。

社会で成功するのは狭い意味の学力の高い人ではなくて、非認知能力とよばれる【我慢強さ、工夫する力、協調性、挑戦する力、計画力】などの高い人である。この能力が身につくのは就学前と言われている。

ある幼稚園の紹介があった。わざと凸凹にしてあるグラウンドをつくる、子どもははじめよくこけているのだがそのうち、こけないよう自分で注意するようになる、寒い日にわざとドアを少し開けておく、すると子どもが自分から閉めるようになる、あえて昔の蛇口にしてある水道、しかも数をたくさんつくらない、すると子どもが自分から工夫して捻り具合を調節し、しかもスピードアップして後ろに並んでいる子どもにゆずるようになる、etc

わざと少し困る状況をつくっておき、工夫させる、対応を考えさせるのだという話になって、又吉が子ども時代の話をした。

自分の家は豊かではなくて、住んでいたアパートは鍵が開けにくいドアでコツがいった。両親共働きで一番早く家に帰ってくるのは僕だった。早く中に入りたい一心でコツをこどもながらに習得し、親より上手だった。トイレの電球はチカチカしていたのがついに切れてしまった。親は忙しくて直す直すといいながら何ヶ月もそのままで、しょうがない、こどもながらに手順を考え、手探りで用を足し、そのうち真っ暗でもちゃんと困らずできるようになった。うちの場合は貧しかったということが幸いしてそういう能力が身についたんかなと独特の淡々とした感じで語るのを聞いてこの人はおもしろいと思った。

そして最初に紹介した「ピース又吉の邂逅の書」、なかなかの人である。

人まねではない独自の感性、アンテナで観察し、その観察も彼の独特の距離感で、味があって。語りも押しつけがましさがなくて好ましい。孤独の大切さも知っている。

芥川賞の候補になっている小説も読んでみようと思っている。




人がよりよき成長をするのにインセンティブがいる。人参的なものがいる。
自分がうれしい、周りがうれしがる、褒めてもらえる、評価してもらえる。
それが親から与えられたら幸せである。そしてより良き成長を願って愛情深きものならなおさら。
しかし、上記の幼稚園のように公的教育の現場でうまく仕組まれるなら、さらにその子たちは幸運である。
就学前でなくても意味があると思う。単なる知識の習得だけでなく、様々な場面での介入、連携がうまくできている教育集団であると子どもは伸びる。
教育効果と経済性を考えると、就学前というのがいいのだ。
アメリカでの調査も紹介されていた。犯罪率の高い、子どもの不良化で頭を悩ましていた地区の幼稚園で取り組んだ介入教育を受けた子どものその後はそれを受けなかった子どもと学力では違いはでなかったが、40年後に比較すると平均所得、持ち家率等で有意の差がはっきり出た。

この番組でも又吉はずいぶん学び、いろんな視点を身につけていっているのだろうな。