夏の旅(2)
植田正治さんのセルフポートレート。
16歳。
この少年が晩年には、こんな魅力的な人物になる。
1929年にこんな顔をしてセルフポートレートを撮る16歳---なかなかいなかった気がする。こうやって前を向いて歩き続けたのだろうな。
美術館には訪れた人が書き込むノートが置いてあって、もう何冊にもなっているのだが、ぱらぱらめくった中に「福山雅治のCDジャケットの写真で名前を知って訪ねた」と書いている人がいた。そんな仕事もしていたのか。三宅一生の洋服のファッション写真を砂丘で撮ったということもあとで知った。
絵葉書を買う。
<少女四態>この写真で第13回日本写真美術展で特選を受賞。
<パパとママとコドモたち>
いやぁ、思わぬ愉しさだった。
約束の3時半、ペンションに到着。
赤い車は私、白は友人。
内部もとても落ち着く内装で、主人夫妻のセンスの良さが伝わる。
夕食の後、部屋で積もる話。夜が更けていく。
朝起きると雨は上がり、薄日が差していた。散歩に出る。
ほんの一瞬、伯耆大山が姿を現した。
(つづく)