心温まる

アルバイトから帰宅して、ご飯を食べながら、テレビのリモコンを回してたまたまEテレのシリーズ貧困拡大社会に目がとまる。

「性産業に取り込まれる知的障害の女性たち」という副題だった。

コメンテーターに山本譲司氏が出ていた。小説家という肩書きだった。あれは何年前のことだろう。文藝春秋だか新潮45だかでこの人が書いていたものを読んで、関心を持った。

もと民主党国会議員で秘書に係わる詐欺罪及び虚偽記載による政治資金規正法違反で逮捕され、獄中生活を送り、刑務所で触法障害者達の世話をしたことで障害者問題を知り、ドキュメンタリーを執筆して賞ももらった人。安部譲二と対談して、「今まで数え切れないほど服役経験者を見てきたが、刑務所に入ってまともになって帰ってきたのは、あなたと江夏豊だけだ」と安部譲二に語らせた人。

たしかカツラの費用も議員経費から出してバッシングもされた。先の雑誌を読むまではセコい政治家ぐらいにしか思っていなかったが、記事を読んで見方を変えた。具体的な経験からまともに学ぶ人であった。そして学びを行動に移せる人であった。

ウィキペディアを読むと、出所後、ホームヘルパーの資格も取って訪問介護員としても働いているとのことだった。

今夜のテレビではカツラは使っていなかった。後頭部から髪を回してきて薄くなっているところを覆っていた。

少し感動した。NHKテレビのコメンテーターをするまでに復活されていることに。失敗から立ち直り再び社会に貢献する働きをされていることに。それも社会の光のあたりにくいところを照らそうとされていることに。

失敗してもやり直せる社会---いいなぁ、全ての人にそういう社会でずっとあり続けて欲しい。