電話してよかった

サークルで会誌の係になっている。会員に配付するもので2ヶ月に一回発行。私以外に2人、3人でつくっている。

リーダーは70歳を過ぎた、サークル唯一の男性。なかなかしっかりした方で学ぶ部分もいっぱいあるが、癖もおありになる。

ご自分の原稿には熱が入り、思い通りにならないと気が済まない。しかし、自分以外の原稿には冷たいところがある。

始めの2ページほどは活動報告。ずっとワープロ専用機で、彼が作成していた。ところが3ヶ月前に故障。私がエクセルでつくることになった。そういうことになって今回は2回目。原稿は彼がつくり、私が表にして打ち込む。

今回の会誌の印刷や綴じ込みをする作業日として彼が提案した日は私はサークルの別の仕事が重なり、別の日を希望したが、もう一人の人と2人でやっておくので私は来なくてよい、気にせずそちらの方に行ってと言われる。

別室で作業をしていたら、できあがったと届けに来られた。

見てみると、エクセルの表の右側の線が欠けている。なので間が抜けた表になっている。

私は不愉快になった。しかも持ってこられたときにこんなふうになったのだという断りも何もない。

彼がつくった表がこんなふうに印刷されたら、彼は黙っていない。やり直しまではしなくても手書きで線を補うはず。なんと手抜きであろうか。

一晩おいて、もう一人の人から、メールが入る。

「不完全な、線の切れたものを配付してしまい、反省している。一部は配付してしまったが残りは線を補って配付する。せっかくきれいに表をつくられたのにごめんなさい。」

読んで、メールをしようかと思ったが直接話した方がいいのではと思い直し、電話を入れる。彼女はこう言った。

一晩、気を悪くされているだろうなと気になってしかたがなくて、今朝、メールした。Sさんに流されてそのまま配付したが、あなたに悪いだけでなく、こんな広報でいいのか、係としてのプライドもある。Sさんに流されたとSさんのせいにするのもよく考えると、印刷の時に試し刷りで気がつかなかった自分にも非があるので責任転嫁になる。Sさんにそういうところがあるとわかった上で上手に次回からは対応しようと反省した。今回、考えさせられるところがいろいろあった。

電話して直接話せてよかった。彼女もそう言った。

どう捉えるかで品格、人格がでると改めて思った。偉い人だ。誠実な人だ。思慮深い人だ。彼女を見直した。

私は自分に前向きのベクトルを点検した上でのアサーション相互主義をとっているので「不愉快であると伝えて、改善をめざす」のが私のやり方なのでSさんに直で言うのが性分に合っているのだが、お年を召したSさんにはそれは酷かも知れない。

荒立てず、「Sさんにそういうところがあるとわかった上で上手に次回からは対応しよう」方式を今回はとろう。