半泥子に遭う

娘に会いに津にいく。
結婚してやっと7年目に妊娠した。

津に行くなら是非行ってみたかったところがあった。石水博物館。

HPの挨拶を引用する。

石水博物館は、川喜田久太夫(号:半泥子)が昭和5年に地域文化の振興と社会福祉活動の拠点として設立した財団法人石水会館を母体としています。

 昭和50年に登録博物館となってからは津市丸之内の展示施設で地元に根ざした展覧会を開催し、市民の皆様に親しまれてきました。

 平成22年に法人名を公益財団法人石水博物館に変更するとともに、半泥子ゆかりの千歳山(津市垂水)に新しい展示施設を新築し、平成23年5月、移転開館いたしました。

 石水博物館の所蔵品は、江戸時代に伊勢商人の豪商であった川喜田家の旧蔵資料を中心としています。その分野は茶道具、日本画、洋画、古書典籍、錦絵、伊勢商人関係歴史資料など多岐にわたります。また、同家十六代当主であり陶芸家としても知られる川喜田半泥子の作品や周辺資料も多数保存管理しています。

第一展示室では『石水所蔵名品展−真三重県指定文化財 古伊賀水差 銘「鬼の首」を中心に−』

「鬼の首」のすごい存在感。
織部IHS茶入 桃山時代のものでイエズス会の紋章IHSが入っている。
織部茶碗 銘 暫
色絵草花文鉋目皿 乾山作
赤茶碗 銘 栗鼠 長次郎作
etc

第二展示室『川喜田半泥子とその周辺−半泥子筆「広永絵巻」に見る半泥子k旧作展』

素晴らしかった。
私はマチスが大好きであるが、半泥子の作品は陶芸にしても書にしても絵にしても通じるものを持っている。リズムがあるというか、止まっていても動いているというか、感性に飛び込んでくるというか。

どんな人物かを伝えるのに書が適しているのではないか。むろん書体がすごいのだが、何を書いたかも重要である。
欧文を意訳している。
「波和遊」How are you?
「喊阿厳」Come again.
「大夢出門」Time is money.
「慶世羅世羅」ケセラセラ
「愛夢倶楽通志友」I'm glad to see you.

抜群のウィットとユーモアなのである。

伊勢木綿を扱う豪商の16代目当主。後に百五銀行の頭取、会長。実業家としての手腕も発揮しながら、自由闊達に、美しい遊び方をした。

わけあって祖母に育てられたが祖母はわがままに育つことを恐れ「己をほむるものハあくま(悪魔)とおもふべし。我をそしるものハ善知識とおもふべし」と教えた。

号は半泥子のほかに無茶法師、其飯(そのまま)(きはん)、66歳でバカヤロウと人に怒鳴られ、ナルホドと悟ったことから、莫加椰盧、鳴穂堂。

『昭和の光悦、東の魯山人、西の半泥子』と言われた。

川喜田半泥子のすべて」という図録も買う。