世界遺産コンサート

下鴨神社の舞殿で行われた「古典の日・世界遺産コンサート」に昨夜行く。
無常という名のシンフォニー
昨日のことはあきらめる。でも明日のことはあきらめない。
主催はNPO法人世界遺産コンサート
共催は古典の日推進委員会と方丈記800年委員会

横浜で会った小学校の同級生のおつれあいがこのコンサートの司会と朗読を担当するということをあの日、同級生から聞いてチケットを取ったのだ。

出演者は
東儀秀樹雅楽師、音楽家
辻村寿三郎(人形師)
ジョン・健・ヌッツォ声楽家
中井智弥 (URANUS/二十五絃箏 )
地元高校生
特別ゲスト/瀬戸内寂聴天台宗尼僧)

晴れた空に冴える十三夜の月、進むほどに重なる虫の音。気温も下がってきてより澄み渡ってくる。

朗読がこのイベントで大きな位置を占める。方丈記の朗読。まず「序」の一節を地元高校生。次に「安元の大火」、「養和の大飢饉」、「元暦の大地震」の各一節を田中智子さんが担当。

朗読の間に二十五絃琴演奏、歌唱、舞が入る。途中で寂聴さんの講話が入る。後半は演奏。

笙、篳篥(ひちりき)がどんなに朗々と伸びやかに秋の空に響き渡るか、驚嘆感嘆の中で聴いた。

つれあいに行くよと話したら「では、方丈記を読んでおくべきだ」という。ナルホドと思い、二人で何日かかけて声に出して読み進む。声に出して読むと名文であることが古典音痴の私にもわかる。

そして方丈記に書かれた大地震の状況は今の日本の東北大震災に重なり、慄然とする。清盛の時代に重なるので福原遷都のことも記載があり、そのことによってどんなに人々が疲弊したかに思いを巡らすこともできる。

そうやって臨んだコンサート、素晴らしかった。

東儀さんが堂々として舞台映えして話すことも重みがあり、こんな中身のある人だったのかと見直した。寂聴さんはもうお年、引退なさるときに来ているのではと思った。

NPO法人世界遺産コンサートを調べてみると東儀さんが深く関わっていることがわかった。

帰りは無常を実感。JRの人身事故で振り替え輸送。阪急で帰る。帰宅は12時に近かった。