ラジオ文芸館

今日は角田光代さんの「絵」だった。今までの再放送とのこと。

朗読は伊東敏恵アナウンサー。よくNHKで顔を見ていたが、今は広島放送局とのこと。

息子の担任に呼び出され、いったい今度は何をやらかしたのだろうと学校に向かう場面、ついつい引きずり込まれ、「市川」で下りなくてはならないところ、気がつかず、次の「姫路南」を通り過ぎてから、気がつく。

しょうがない、次の「中地」ランプで下りて反対車線に戻る。

そうか、角田光代さんはこんな小説を書くのか。さっき、シンソンさんのブログに訪問すると彼女の短編集『Presents』の紹介があった。

まてよ、この本、私は持っている。さがすと確かにこの中に「絵」があった。

これから先、私はサスケに嫌われるかもしれない。口をきいてもらえなくなるかもしれない。サスケはぐれるかもしれない。部屋に引きこもったままになるかもしれない。夫の浮気は本当かも知れない。別れてほしいと言われるかもしれない。近い将来、私たちはばらばらになるかもしれない。それでもだいじょうぶ。私たちみんな、きっとだいじょうぶ。それぞれの場所でうまくやっていける。離れた場所で私たちはきっと、いつも散らかった玄関の、同じこの光景を思い出すだろう。幸福は玄関からやってくるのではなくて、この散らかった場所に、すでにある。

額を買って帰ろう。この絵をリビングに飾ろう。

不覚にも涙。