新聞記事から「仕事力 内田樹 4回シリーズの最後」

人間の学びの3条件

第一は自分自身に対する不全感。自分は非力で、無知で、まだまだ多くのものが欠けている。だからこの欠如を埋めなくてはならない、という飢餓感を持つこと。

第二は、その欠如を埋めてくれる「メンター(先達)」を探し当てられる能力です。メンターは身近な人でもいいし、外国人でも、故人でも、本や映画の中の人でもいい。生涯にわたる師ではなく、ただある場所から別の場所に案内してくれるだけの「渡し守」のような人でもいいのです。自分を一歩先に連れて行ってくれる人は全て大切なメンターです。

第三が、素直な気持ち。メンターを「教える気にさせる」力です。オープンマインドと言ってもいいし、もっと平たく「愛嬌」と言ってもいい。

以上、この三つの条件をまとめると、「学びたいことがあります。教えてください。お願いします。」という文になります。これが「マジックワード」です。

これをさらっと口に出せる人はどこまでも成長することができる。

この言葉を惜しむ人は学ぶことができないのです。

学ぶ力には年齢も社会的地位も関係がありません。みなさんも、いつまでも学ぶ力を持ち続けてください。

内田さんはさらに味のあるいい顔になった。うそ偽りのない顔。やっていることと言っていることが一致している顔。端折って書き写しているので文責はtakikioにあり。