11月初旬、季節外れの月見の茶会に招かれる。
ちなみにこの日の月は三日月で満月ではない。「Moonbow」と書かれた額の前にススキをかざりたかったのだ、ご亭主は。
待合が出色だった。歩いて2分の姫新線の無人駅のプラットホーム。ベンチに座り、連客とおしゃべりしながら快晴の夕焼けを眺め、刈り入れの終わった田んぼの景色を楽しむしあわせ。
簡略茶会と名打って、薄茶と点心。
行き届いた配慮、心をこめた点心、手作りの主菓子。
ストーリーと高価でなくとも愛情のこもるお道具と借景まで使い切る編集力が茶会を際立たせる。
連客とも久しぶりの再会で話が弾んだ。
いい一日が過ごせて心に温かい風が吹いている。