今日のプレゼント

「絵本作家 市川里美さん講演会」を聴きに市立図書館に。

孫もそろそろ絵本を楽しむ日がやってくるので、少し絵本に親しんでおこうと市の広報を見て申し込んでいた。

失礼ながら私のアンテナにはひっかかっていなかったが50冊近い絵本を出している、賞ももらっている絵本作家だった。

春のうたがきこえる

春のうたがきこえる

はしって! アレン (世界の絵本)

はしって! アレン (世界の絵本)

彼女の本を出している出版社の社長との対談形式で話が進んでいった。

ほぼ同世代。パリ在住。1971年にイタリアはペルージアにある大学でイタリア語を学ぶためにやってきて半年後、持ち金も少なくなって、ホームステイしてベビーシッターをしながらフランス語を学ぶシステムがあることを知ってパリに来る。パリの町に惹かれ移住を決意。蚤の市でモーリス・ブッテ・モンベルの絵に出会い、独学で絵の勉強を始める。

初めて描いた絵本をイギリスの会社に持ち込み、出版が決まるという幸運なスタートを切る。

子どもの頃は絵が得意でもなく、好きでもなく、描いた絵を誰かに褒められた記憶も無い人が、外国で絵本に出会い、独学で学び、描き続けて数年で出版社に認められ、1978年には日本でも賞を二つももらっている。おもしろい人生だ。幸運に恵まれた人生だ。

ほぼ毎年、新作が出版されている。

ジブリルのくるま

ジブリルのくるま

ハナちゃんのトマト

ハナちゃんのトマト

森からのよびごえ

森からのよびごえ

そういうキャリアを重ねてきた人なのにいばったところが全くない、素朴と言ってもいい人だった。絵にそういう人柄があらわれていると思った。

旅が好きで写真がわりに絵で記録を残してきた。その旅行での具体的な様々な経験をもとに絵本が生まれている。

想像よりも現実にあるものの方がよっぽど素晴らしいと思っている、そしてその思いは年を経るほどに強くなっていると語った。

なので、この人の本は何か迫力が感じられるのだな。

はじめは訥々としゃべられ、少し退屈であったのがだんだん熱が入り、目が輝き、借り物でない言葉で語られるので聴衆ものってきて、するとさらに話に熱が入り、もっともっと聴いていたいと思うところで時間が来てしまった。

ぬいぐるみのコレクターでもあっていくつか持ってこられていた。蚤の市やそういう骨董やさんで見つける、愛されてきた、少し汚れていたり、時に破れていたりするぬいぐるみのすごい存在感。

部屋の後ろで彼女の絵本が販売されていて購入すると、その持参のぬいぐるみを選んでイラスト入りでサインをしていただけるという思わぬプレゼントがあった。

ただ丁寧に描かれるので、私の番が来るのはうんと後ということになり、歯医者の予約の時間がきてしまうので係の方に相談すると、描いておいてもらうから明日、図書館に取りにくるようにという対応をしてもらえた。

5月の孫の誕生日のプレゼントにしよう。