夏の旅(3)

このペンションがいいのは、食事がいいからだけではない。
経営しているご夫婦の人柄が人格が素晴らしいのだ。

奥さん、いろんな趣味をもっているが、ガーデニングもずばぬけていてNHKの何年か前の番組で取材されている。30分の番組作りに6ヶ月かけたそうだ。石沢典夫アナウンサーが司会。8時間、滞在し、思う存分語り合ったそうだ。

初対面の私たちにこんな、心に垣根のない、オープンハートの応対ができる人間はそういない。何らかのトレーニングを受けている人だと思ったのだが、聞けばナースをされていたそう。最後は婦長さんで退職されたそう。

ご主人、山登りが大好きで大山が大好きでここに土地を買い、ご自分が設計した建物。何もかも決めた上で奥さんに伝えられたそう。料理は趣味から入られたそうだが、一流ホテルにもないような設備を備えている。音楽も趣味でトロンボーンを吹き、アマチュアのビッグバンドを指揮する腕前。地下があるそうでそこにはステンドグラスの作業場を作られているそう。地下は冬場の植物の避難場所にもなっている。

どちらもスケールが半端ではない。そういう人たちが本気でもてなす宿。感銘を受けたと言っても過言ではない。リピート率は9割を超すそう。大満足で宿を後にする。

二日目、鏡ヶ成に向かう。湿原を散策。曇り空だったがとてもリフレッシュできた。空気がおいしい。

バイケイソウ。なかなか名前がわからなかった。漢字で梅螵草とかく。花が梅、葉が螵(ランの意)、ランの葉に似ているところからつく。よく見るとたしかに花は梅に似ている。葉はランそのもの。はじめランと思った。でもランだとこんな花の構造ではないと。ユリ科シュロソウ属。

モリアオガエルの卵塊。

来年はどこにしようか、今年一回で終わりにするのはやめておこうねといって別れる。