半夏生の庭

何回か訪ねている建仁寺だが庭の半夏生で有名な塔頭があると聞いたのはほんの数日前。

ちょうど今日、午後京都で用事がある。午前中に建仁寺をたずねようと決め、調べてみると「両足院 夏の特別拝観 半夏生の庭園特別公開」。

阪急河原町駅から歩いて行ける距離。いつもは安売り切符を買ってJRで京都に行くのだが、今回は阪急に乗る。

河原町で降りて歩くこと10分。そのころには傘無しで歩けた。

今日の建仁寺訪問、半夏生以外にもおまけがあった。

しかし、まず半夏生の庭園をご覧いただこう。

わかりやすかったボランティアによる説明によると、6/16から一週間ほどが見頃で、真っ白になった葉がこの間見られ、また緑に戻っていくのだそうな。今日のような薄曇りがよくあい、心の奥が鎮められる感じがする。

その庭の奥に二つの茶室がある。一つは水月亭と名付けられている。

1618年に織田信長の弟、織田長益(有楽斎如庵)が建仁寺塔頭正伝院を再興した際につくった茶室が如庵。つまり、今、犬山にある茶室如庵はもともと、この建仁寺にあったものが移築されたのだ。

そして1996年に写しが千家十職の支援を受けて建築家中村昌生の手によってつくられ、水月亭と名付けられてこの半夏生の庭を見渡せる場所に建つ。

国宝如庵の写しをもとあった地で見ることができたのは収穫だった。

もうひとつはブログで紹介しようと思いながら果たせていない我が国における餡入り饅頭の始祖、塩瀬総本家の始祖、林浄因の話が聞けたこと。「まんじゅう屋繁盛記 塩瀬の650年」という塩瀬総本家の社長川島英子さんの書いた本をひょんなことから手に入れ、夢中になって読んだ、その内容にかぶさる話が今日、建仁寺で聞けたことがうれしい。塔頭両足院の開祖は龍山徳見禅師であるが元に渡り40年という修行の年月を経たときに足利尊氏に請われて帰国する際、彼を慕う中国人が一緒に日本に渡ってきた。そのうちの一人が林浄因であった。

自分のわずかであるが得てきた知識にリンクしたときの喜びも感じることができて今日はいい一日になった。