雨の言葉
今朝、テレビを見ていたら、雨にまつわる言葉が二つ、紹介されていた。
一つは青時雨あおしぐれ。もう一つは樹雨きさめ。
青時雨は今の季節の通り雨、樹雨は雨で樹木が濡れてその葉先から落ちてくる水滴と説明していた。
季語だろうなと思って歳時記を見てみると、青時雨しか載っていなかった。
【青葉】としてまとめてある中に 青葉寒 青葉雨 青時雨 青葉時雨とあり、「青葉雨は青葉の時に降る雨だが、青時雨・青葉時雨は青葉の頃、雨が上がったあとの木の下を通ると、葉に溜まっていた雫がはらはら落ちてくること。」とあった。
樹雨は載っていなかった。
ググってみると、「雨の言葉」(!)というサイトにヒットし、
http://www.ameagari.jp/ame/ame_kotoba.html
木々の青葉からしたたり落ちる水滴を時雨に見立てたことば。また、青葉若葉のころの時雨のような通り雨。時雨は、本来は冬の季語だが、青葉の「青」を頭につけ、夏の雨の意としている。
とあって、両方が掲載されていた。
樹雨はこのサイトには載っていなかった。そこで樹雨でググってみると、Kotobankに、
濃霧が森林を流れていくとき,霧粒が樹木の葉等にとらえられ,そこから大粒の雨となって降る現象。地形の影響で絶えず雲をかぶっているような山地は樹雨が多い。ケープ・タウンのテーブル山の樹雨は有名で,年間雨量の2倍も樹雨が降る。
とあり、ヒットした他のサイトも同様の説明だった。
歳時記には青時雨で次の句が紹介されていた。
結界の身に青時雨埒もなや 角川源義
これは「青葉若葉のころの時雨のような通り雨」の意味で取る方がいいように思われる。ちなみに歳時記は角川学芸出版。角川春樹の父である源義をぐぐってその生涯を知る。