人生の楽園

篠山のお仕覆づくりの稽古に通い出して4年目になる。

古市を通るルートとデカンショ街道を本荘で左折して、時々山越えで篠山市味間奥の稽古場まで行くルートとある。

あるとき、後者のルートにコンテナ二つ、重ねたみすぼらしい蕎麦屋が出現した。黒石ダムの近く、まわりに人家はない。こんなところに店をつくって客は来るのだろうか、ただ何かおもしろそうで、いつか寄りたいと思ってきた。不定期営業のようで時間的に寄ってもいいなというときには閉まっていたりして、なかなかうまくいかなかった。

そのうち、幟まで立つようになって「ねじきそば」と書いてある。本荘の交差点には「ねじきそば 時夢館 へはこっち」という案内板まで立つようになった。

久しぶりに通ると外見も整備され、駐車場まででき、看板に 金土日営業 11時からなくなるまでと書いてある。

先日、篠山の大国寺の周辺で行われた篠山茶まつりに茶の稽古仲間を誘って行くことになり、ついでに蕎麦屋によらないかと提案、了解を得て、この間の日曜日に6人で訪ねる。

期待は外されなかった。

十割蕎麦はホントにおいしかった。

器も素敵で、聞くと仲間の知り合いで趣味で丹波焼きをつくっている人がいて焼いてもらったのだという。きれいな螺鈿も入った塗りのお椀は仲間の家の藏に眠っていたものだとのこと。

さらに聞くとこのお店、人生の楽園というテレビ番組にも昨年取り上げられたという。知らなかった!

帰宅してググるとホームページもあった。そこからコピペしたモノを下記に。

金・土・日・祝日だけ営業いたします。

店舗住所 : 兵庫県篠山市今田町黒石ねじき96-8
電話&Fax : 079-597-3364
営業時間 : 午前11時〜なくなり次第閉店

時夢館の所在地は、黒石ダムのほとりでこれより奥には工場はおろか民家も何もありません。
手つかずの自然が今も残る「篠山の奥地・今田黒石」で自分たちの手で種を捲き、育て、刈り取ったソバの実を挽いて作った、混じりもののない蕎麦粉を使っています。

それらを岩盤の下21メートルより噴出している軟水(pH6.2大腸菌・雑菌類0)で
「十割蕎麦」を作っています。

小川のせせらぎと鳥のさえずり、虫たちの鳴声以外何もない。

コンテナーを積み重ねた二階建て
外観はお粗末ですが、わたしたちの夢がいっぱい詰まった空間「時夢館」で
その味をぜひご賞味ください。

お薦めのこのお店、inuwanさん、ぜひ篠山に来られたら寄ってください。
お知り合いに宣伝よろしく、たくさんの人に来ていただきたいんですよ、知ってもらいたいんですよと頼まれた。

蕎麦好きの方、お近くでなくても休日、足を伸ばしてみてはいかが。期待を裏切りません。


上記HPにはこんなことも書いてあった。

『時夢館』代表
藤本定一 (プロフィール)

1952年3月篠山市今田町黒石に生れる、高校卒業後丹南町役場(現篠山市役所)に就職。
同時に地元青年団活動に邁進し、素晴らしい仲間、友人に恵まれる。

何をするにも原資が必要と、その中の5名の友人とともに将来を見据え1977年より毎月1万円貯金を開始。1998年(46歳)には預金が有価証券を含めて、約1千5百万円に到達。

何年もの話し合いの結果、居場所作りに合意、

待望の男の隠れ家『時夢館』が完成。

その時夢館を活動拠点として、仲間・友人らと共に落語会や音楽コンサートなどを自主開催してきた。
その活動記録が、時夢館(タイムハウス)ブログです。

2009年、57歳で早期退職、蕎麦の修行に入る。
2012年11月から、予約制の十割蕎麦屋(ねじきそば)をオープン予定。

具体的にお金を貯めていくというところがスゴイ。早期退職して蕎麦修行するというところがスゴイ。

別のページにはこんなことも。

ねじきと云う聞き慣れない語源は、時夢館の住所の小字から名付けました。
時夢館の正式な住所は、「兵庫県篠山市今田町黒石ねじき96-8」です。黒石ダムの畔に位置しています。

その小字の「ねじき」を冠して、ねじきそば屋を開店する理由は、
世帯数わずか52世帯の「黒石」という小さな村で生まれ、小川や山々の素晴らしい自然に育てられて年齢を重ねるにつけ、何とか自分たちでふるさとの活性化を図ることが出来ないだろうかとの思いが年々募ってきました。

− 時を経ても、なお夢を追い求め続ける館 −

に、集まってくる三十数年来の仲間たちも、同じ思いで夜な夜な議論を重ねてきました。
(ただ単に、酒を飲んで騒いでいただけという声もありますが、、、。)

みんなで出した答えは、
自分たちで出来るささやかなことで、ふるさとを盛り上げよう!

ねじきそば屋は、その大きな夢の小さな始まりです。
少年・少女時代の純真無垢な心を持ったまま中高年になってしまった者たちの、
まさに醒めない夢の、そのまた夢物語の始まりです。

夢物語で終わらせずに具体的に行動する、同世代の人たちがこんな身近にいました!