小さいおうち
三宮でのアルバイトのあと、映画館に行きました。
山田洋次監督の「小さいおうち」。
座席が9割埋まっていてびっくり、びっくり。ほとんどシルバー。
こんなにぎわいを目にするのは久しぶりです!
直木賞を取った中島京子の原作を読んでいたこともあり、好評なのも知って、観ることにしたのです。
いい映画でした。丁寧に作られています。
原作とは少し変えてあります。海にしばしば行く話があったと思うのにそれは出てきません。イタクラショウジは絵本を描いたと思ったのに映画は絵でした。
低予算でつくられているように思います。その分、すっきりした話になっていてよくわかります。
すっきりしすぎているかもとも思います。人間の感情の裏側、苦さも感じさせる原作なのですが映画はいくぶん切り捨てられているように思います。
なので最後の米倉斉加年の演じる息子が少し重すぎるように思うのです。
それからもうひとつの違和感は最初の場面、湯冷ましを使ってお茶を入れるのですが、茶碗に注ぐまでの時間が余りに短すぎ。丁寧に作られた映画なので余計、そこがおざなりな茶の入れ方になっていて残念でした。
女中役の黒木華さん、こう書いて「くろきはる」と読むそうですが、よく演じていました。松たか子さんも山の手の奥様をよく演じています。育ちの良さが出ていて美しくて華があります。片岡孝太郎という役者さんは天皇陛下の役を演じた人ですが今回の役も上手でした。
こんなに涙がはらはらこぼれるとは思っていませんでした。