思い

昨日購入の図説を改めて読み直してみて、特にはじめの「ごあいさつ」を書き写したくなった。

近年、和の要素を現代風に再構成した「和モダン」のデザインが注目を集めています。日本の伝統的な空間の減少が叫ばれて久しくなりますが、震災や原発事故などで価値観が揺らぎやすくなった現代社会にあっては、四季の移ろいを感じ、安心してくつろげる「日本の原風景」に立ち返ろうとする気持ちが強くなっているように感じます。
ところが今日では和の建築デザインを学ぼうにも、そのような機会が多くありません。なかでも和のデザイン要素が多く詰め込まれている数寄屋建築はあこがれの的ではありますが、敷居が高く、難解だという印象をもたれがちです。
そこで、本展覧会では数寄屋建築をつくりあげている様々な要素を解体して、職人たちがどこにこだわり、技を追求しているのかを、総合デザイナーである数寄屋大工棟梁の視点を通して詳しくご理解いただけるように企画しました。
この展覧会を通して、数寄屋建築に携わる職人達の研ぎ澄まされた技と日本人が昔から培ってきた美意識を再認識していただけましたら幸いに思います。さらに数寄屋建築が過去の遺物になるのではなく、様々なかたちで現代の住まいに生き続けるようになればと願っております。

昨日、居合わせた来場者で、会話から建築を学んでいる人達なのだろうと思える若者がいた。

神戸会場は11月18日で終わり、11月23日からは名古屋会場に移る。トヨタテクノミュージアム産業技術記念館で12月23日まで。