島根の旅その2
次に目指したのは楽山窯。途中で道がわからなくなる。持参していた「全国茶の湯の旅」にたしか電話番号が出ていたはず---あった。
電話をかけると出雲弁でていねいに案内いただいた。5分ほどで着く。松江で一番由緒ある窯。門からのアプローチが長い豪邸。
なんと電話に出られたのは当代(11代)長岡空権(くうごん)さんだったことがわかる。出迎えてくださり、作品を見せていただく。
倉崎権兵衛からはじまる楽山窯の歴史も教えてくださる。空権は初代の権兵衛の権の字をもらってつけたと言われた。最近まで一畑百貨店で個展をしていたとかで値札のついたままで展示してあった。黄伊羅保がすばらしい。しかし、ちょっと手が出ない金額。
雑誌「なごみ」の7月号の不昧特集のグラビアで拝見した由を伝えると3月に取材があったとのこと。
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厚かましく、写真に入っていただいて辞する。83歳で現役。島根県指定無形文化財保持者。
次に向かったのは布志名(ふじな)焼雲善窯。ここでもよくしていただいた。抹茶と干菓子をいただき、いろいろお話を聞き、菓子器を購入。生活の陶器は
布志名、茶陶は雲善の印を使っていると言われた。
隣の「皆美」というお店で昼食を取ったあと、Nと待ち合わせの松江北高校に。
3人で松江城大茶会に向かう。城山公園で今まで開かれてきた大茶会。今年は城山公園に加え、不昧公が建てた茶室「明々庵」に隣接する赤山茶道会館でも開かれる。臨時の駐車場を近くの松江北高校に設けてある。
武者小路千家が担当。りっぱなお道具の取り合わせで楽しませていただいた。
風炉先は愈好斎による松の絵の入った富士形だった。始めて拝見する。
お床は「昨夜一声雁」と対句になっている「清風万里秋」。有隣斎による。
菓子は三英堂の「蔦の細道」。三英堂のご主人が正客をつとめてくださった。
松江ではこの大茶会のために各和菓子店が新作を準備する。何しろ11流派が参加する日本三大茶会の一つである松江城大茶会ならではである。さすが不昧公のお膝元。
我々の席ではないがこの様子が翌日7日の山陰中央新報の朝刊に載る。Kのご主人が切り抜きをくださる。
このあと、3人で田部美術館に。
(ウィキペディアより引用)
衆議院議員・島根新聞社社長・島根県知事を務めた田部長右衛門により、財団法人田部美術館として設立された。 設立時に田部長右衛門から寄贈された田部家伝来の茶道関連の美術品がコレクションの核となっている。館は美観地区塩見繩手に立地し、通りからは外構えの長屋門しか見えない。門をくぐると1979年に竣工した菊竹清訓設計による本館が現れる。
松江には不昧公に代表される文化の牽引役がいろんな時代に輩出してきたのだな。
Nとは別れて月照寺に行き、路芝というお菓子がついた抹茶セットでのどを潤してから、出雲のKの家に向かう。