新聞記事から”渡瀬”スタイル
戸田恵子さんが書いている「TVダイアリー」から端折って抜粋。
これほどまでに自分の信念やスタイルを貫いている役者はいない。渡瀬恒彦さん。
あれだけのセリフを完璧に覚え、一切無駄な話もせず、じっと集中して現場の成り行きを見守る。
どんなシーンでもどんな共演者が相手でも”渡瀬”スタイルをくずさない。
役者のNGにひと笑い起こる現場もそれはそれで素敵だが、NGが文字通り「良くないもの」としてきちんと捉えられているこういう現場が残っていることはすごく貴重で身が引き締まる。
そんな渡瀬さんも絶妙なタイミングでジョークを飛ばすことがある。「待ち」が長いときなどスタッフに声を掛け、場を和ませる。
どんな若いスタッフも職種ではなく名前で呼ばれる渡瀬さん。呼ばれたスタッフは恥ずかしそうにでもとてもうれしそうに顔を赤らめる。
「新・おみやさん」には「仕事場で仕事をする」という当たり前を経験できる貴重な現場である。