新聞記事から浜矩子さん

今日の朝日新聞は大学の広告オンパレードである。

同志社大学は浜さん(浜矩子教授)が登場していた。

私はこの人が好きで、一昨年の夏に神戸であった同志社大学の同窓会にまぎれこんで講演(一般公開されていた)を聴いたぐらいである。

「ユーロ危機と日本経済」というタイトルだった。

キリギリスのままでアリとみたててもらうことなったギリシャのことをアリギリスなどと呼んで話はおもしろかった。

今の日本に本当に必要なことは何か。それは三角形の修復であると言った。

成長、競争、分配の三角形が成長と競争の辺が大きくて分配の辺の短い二等辺三角形になっている。経済活動の理想は正三角形である。所得分配を強化していくことが今必要であると言った。

もうひとつの三角形は地球、国家、地域。リーマンショックまでは地球がでしゃばりすぎていた。ショック後は国家がでしゃばっている。地域の辺を強化することは分配の辺を強化することと表裏一体である。

最後の三角形は人、モノ、カネ。人の復権をもっともっと叫ばなければならない。

政界への出馬が取りざたされているころであったが、はじめにはっきりと「私はエコノミストであり、政治家にはならない。荒野で叫ぶ声であるべきだと思っている。」と言った。

その浜さんが広告記事の中で

日本は豊かな社会です。でもいまの景気状況などから、とりわけ若者には不安感や閉塞感が強いですよね。こんな時こそ、私は大学の出番だと考えています。

不安の原因はいったい何なのか?−。その真相を突き止めるのが大学の役割です。ナゾを解き、不安のもとを解き明かしていくのです。もちろん知ったところで即座に問題が解決できるわけではないですが、「知識」さえあれば自身の心をコントロールすることはできますよね。「えたいのしれない」ほど、怖いものはないですから。幽霊の正体見たり枯れ尾花、という通りです。

だから不安の時代こそ大学の出番です。鋭利な知性で探求し、真相を知るのです。まさに大学は「真犯人はどこにいるのだろう?」と、極上のミステリーを読むようなスリルと快感を味わえますよ。授業はわくわくと心が躍る場所なのです。

学生の皆さんが主役です。前のめりに、授業に向かってきてください。もちろん教える側の力量も問われますが、授業を生かすも殺すも学生次第です。疑問を持ち、探究し、吸収してください。

真理に肉薄しましょう。ぜひ、ナゾを解き明かすスリルと快感を、大学で味わってください。

さすがだなと思う。