徒然に

お茶事の片付けに思いのほか時間がかかった。
翌日の15日に淡交会地区支部の初釜があり、それに出かけたりしたこともあった。

この際、整理しようとお茶道具の置き場所も変えた。「いつかまた」はもうやめようと思っている。

そんな作業の中でつくづく思ったのは今までの兼業主婦の期間、家事はホントにその場しのぎのやっつけ仕事できたんだなということだった。思いつきで整理してそのあと忘れてしまうものだから、思わぬところから思わぬものが出てくる。

退職してすぐの去年の4月5月に大掃除、大片づけをしたつもりであったが、まだまだであった。

機能的な家にしたい。それにはまず決めた場所に置くこと。ということで懐石道具をしまいながら、置き場所を変えたり、まとめたりしたので時間がかかった。

ガレージの上にも収納庫があるのだが、家を建てて4年目に遭遇した阪神淡路大震災(今日で17年が経つ)で屋根を覆ったブルーシートをそこにしまったきりで開けたことがなかった。今回、2階の納戸に置いてあるスキー用具、いつもじゃまになっているのに、そしてもうおそらく使うことはないのに片付けないままできていたのをエイヤっと心の中で掛け声をかけてガレージの天井裏に持って行く。と、そこにブルーシートがあったというわけだ。ああ、あのとき、あの日々。無我夢中で走りぬけてきたなぁ。

と思えば、2階の納戸でスペースをつくるべく、片づけていくと奥に子どもたちの作品などをしまったケースがみつかった。しばし、よみふける。その夜、子どもの夢を見た。

茶事はその4時間ほどのために心を尽すわけであるが、それまでの準備、その後の片づけ、反省等、人の心のベクトルにプラスの方向性を与えてくれるものである。

60歳にして経験できたことは本当によかった。今後に生き、また次の機会をさらに頑張りたいと思わせる。そして心を謙虚にする。