アルバート氏の人生

新聞で映画評を見たとき、観たいなと思っていました。

たまたま、三連休の最後、映画もいいなと検索してみたら元町映画館でやっているのがわかりました。しかもミロクローゼという、ラジオで奨めていた映画も同日上映でしたので、決まり!と思って出かけました。

時間を間違えて早く家を出て、途中で気がつき、神戸駅でおりてブラブラ町歩きを楽しみながら、映画館の前を通ったら、ちょうどミロクローゼが始まる、3分前でした。ラッキーと思って、時間つぶしは中断して、この映画から観ることにしました。計画ではアルバート氏の人生を先に見てから、ミロクローゼと思っていました。

この順番で良かった!
逆だとミロクローゼは途中で投げて出てしまったように思います。

というぐらいに私にはよくわからない映画、ミロクローゼでした。でも今、この映画を検索してみると評価が高いのにびっくり。

わけのわからなさが魅力なのかも知れません。インド映画的かも。

さて、アルバート氏の人生、やっと本題です。
買ったパンフレットがよくできているので、活用します。

本当の自分はタキシードの下に隠して生きてきた
ネタバレではないでしょう、映画の宣伝文句にちゃんとこの内容はうたわれているのですから。
女性が男性として生きて死ぬのです。

構想30年!大女優グレン・クローズの夢、女優人生をかけた映画が誕生!
グレン・クローズが1982年にオフブロードウェイの舞台で主人公を演じて以来、「死ぬ前にこの役を大スクリーンで演じなければならない」という覚悟を抱いて、30年かけてプロデューサー、共同脚本家、主演女優として夢の実現にかけました。資金調達からキャスティング、ロケハンとこなし、主題歌の作詞までやります。

知っていてみるのでよく化けたなと思うのですが、そんなことを知らずに観たら少し変わった雰囲気の男性と思い込むでしょう。それぐらい、男性になりきって演じます。メイクアップチームはアカデミーメイクアップ賞にノミネートされたそうです。

先日、DVDでみたメリル・ストリープサッチャー夫人もなりきりぶりがすごいのですが、ストリープとクローズは大親友なのだそうです。

自分の人生を切り開くために14歳の時に男性として生きることを決断したアルバート、有能なウェイターとして、もらうチップを床下に貯め続けて600ポンドにもせまるというときに、ペンキ屋ヒューバートにであって人生を変えていきます。自分らしく生きるヒューバートに強く影響されて、本当の自分を取り戻していきます。人付き合いを避けた孤独な人生から一歩を踏み出すのです。人生のパートナー探しの中で選んだ人も困難を抱え、アルバートはそれまで味あわなかった苦い、つらい思いも抱きますが、その人をさらに大きく包み込もうとして死ぬことになります。誰にも看取られない死の床で彼女が見せる穏やかな幸せそうな表情。

主人公は死ぬのにこの映画は後味がさわやかです。ちゃんと希望に繋ぎます。

パンフレットの表紙に「A man with a secret. A woman with a dream.」と書いてありました。

追記 今、調べてわかりました。クローズはこの映画で第24回東京国際映画祭最優秀主演女優賞をもらっているんですね。


あらためて私は変えていく人が好きなのだと思いました。ころんでもただでは起きないぞという人に強く惹かれる私です。