モノ申す

この間から奥の方にしまいこんであったアタック(外見は変色もない、普通のパッケージ、ただ開けてみると固まっていて固まりをけずりながら)を使って洗濯しているのだが、取り入れて畳んでいると白い粉のようなものが洗濯モノについていたり、畳むときに落ちてくるのに気づく。

厳寒時に洗剤が溶けきらなくてへばりついていたという経験があるのでお湯も使ってみた---が相変わらず。

今日も洗濯モノを取り込むと粉がついている。

思い切って洗剤の箱の連絡先に電話を入れてみた。

「お客様係り」という部署とのこと、若い女性が対応。

事情を話すと製造番号を聞かれ、それは2004年製で古いので空気中の水分と化学反応を起こし、不溶性の物質ができているとの返答。言外にそんな古い物使う方が悪いというニュアンスが感じ取れる。

8年前ってそんなにめちゃくちゃ古くない。いただきもので隅に眠っていて使うという場合があるし、シルバーの家では8年なんて知れている。

それなら年数がたつとそういうことが起こるので早く使ってくださいという表示があってしかるべきだがどこにもないというと、

今は特に贈答品の場合は明記するようになっているが、8年前にはたしかに表示はなかったという。どこにもない。キャッチコピーはいっぱい書いてある(新しい酵素の力を実感してください 冷たい水にもすばやくとけるマイクロ粒子 ダブルの酵素力 さらに驚きの白さに さっと溶けるマイクロ粒子糸粒一粒に空気をギュッと閉じ込めたエアーイン構造 水に触れた瞬間中の空気がはじけ、すばやく溶けて洗浄成分が汚れに浸透します 汚れを落として黄ばみを防ぎます コットンの世界的権威国際綿花評議会から世界で初めて「皮脂・ドロ汚れ」を落として「黄ばみ」を防ぐきわめて優れた洗剤として認められていますetc)が。使用上の注意のところにもそんなことは書いていない。

こういうことはけっこう頻繁に起こっているのではないだろうか、そういう苦情は届きませんかとたずねると電話はあるという。それで明記するようになったという。

じゃあ、古い洗剤はそういうことがあるので使わないでくださいという広報がいると思う、CMに流せばいいし、新聞の洗剤の広告の片隅にそのことを記せばよいというと、そのような提案があったことを上司に伝えますとのこと。

電話を切ろうとするので、あなたの応対に言いたいことがある、私は困って電話しているのよ、まずその気持ちを受け止めなさいよ、それはお困りでしたね、申し訳ありませんと。そのあと、実は古い洗剤だとそういうことが起こるようなのです、そういう苦情が届いて今では箱に明示するようになっていますと話をしていけば私の気持ちは受け止められたと感じることができ、ねじくれていかない。クレーム対応の仕事って大変だとは思うけれど気持ちに寄り添うっていうことをまずするかしないかで客の気持ちはずいぶん違ってくるよと。

やっと彼女は柔らかくなってご指摘ありがとうございましたと言って電話を切った。